第7夜

今、僕たち生身の人間はいわば引き裂かれている状態にあります。片一方の足を国民国家にかけて、もう一方をグローバル経済にかけて、股割き状態になっている。気持ちが悪いからどっちかに片付けてくれというわけにはゆかない。引き裂かれてあることを、現代日本のデフォルト(初期設定)として受け入れていくしかない。

──内田樹さんが『脱グローバル論』のなかで

 

グローバル経済と国民国家という統治システムが本質的に矛盾している、利益相反している。この状況がこれからも長く続くだろうと内田さんは言います。